短歌まとめ(2021/12/29~2022/07/05)

短歌

夢でだけ遊ぶ愛犬はしっぽを振るのに声が聞こえない朝

夢でだけ遊ぶ愛犬はしっぽを振って笑顔で飛びついてくる

「一粒でよく眠れる」と差し出す魔女はりんごのような赤い目

またいつか同じメンバーで集まると疑わない幼き心

ここにある本は読みたいとおもって買ったから読むつもり いつかは

泡沫の夢を見ていた人魚姫 声も身体も消え心残る

人魚姫の気分で底に寝そべり揺れる光を眺めたあの日

「この『まま』でよかった」と歳を重ねたわたしがおもうといいな いつか

「この『まま』でおねがいします」と少女が選ぶ理想のロボット家族

ねむれないならこの部屋においで 本を読みつつ朝までそばにいる

あなただけが幸せならそれでいい まわりが不幸でもあなただけ

誕生日だからとあなたを独占できるわけではないね、わかった。

見たくないこんなせかいでいきるなら狂ってしまうしかないのかな

いまでさえしにぞこないに使う価値がないとおもい使うのが下手

ひとりだと使えないからすきな人のためか一緒のときに使う

宝箱にそっとしまう君の声 渡してくれた気持ちをしまう

図書館で出逢った本が僕の脳を形作り明日(あす)へ導く

図書館で本の香りに包まれて息ができないと知る教室

図書館でことばの森を歩くときだけ本の虫の眼(め)は輝く

「あなたには辛かったかな」とコップを差し出す手からカレーの香り

夢の僕も生きた記憶がぼやける なかったことにしたくないのに

読み終えた本の影響がすぐ出る幼子のようなことば遊び

欠けているように見えても本当は満ちている月だから惹かれる

「もう慣れたから大丈夫」と言っても止まらないのはどうして、涙

火が通り目玉焼きから戻れない君がささやく生命(いのち)の秘密

お吸い物は許す深夜 ぬくもりを飲み込んでまた生きてしまうな

現実の苦しさなんて忘れてさ しあわせな夢を見ていたいね

最初から「運命」と言う人を無視して目の前の日々を束ねる

僕たちは此処で天使になって空飛ぶ夢を見て堕ちて逝きます

ささやかなひそひそ話すパーティーを開きましょうよ 眠れないなら

聞き飽きて嫌になっても足りないとおもうから言う「君がすきだよ」

振り払い遠ざかっても手を取って踊ってもいい 君が選んで

守護霊になりたかったよなれないよ まだ生きているから手を伸ばす

苦しみを飲み込んだって君の中をきれいにする能力はない

好きだから好きのまま君を見つめる僕はそんなに変なやつかな

ノックする 「此処にいるよ」と「話したい」と「逢いたいな」と伝えるために

電源をつけて知るきょうの日付も君の想いも手のひらサイズ

赤くなる愛しい君の反応は口より素直でわかりやすい

軽率にことばにしない君だから受け取ることばは一生もの

君が君であるってことが重要だからその中に誰がいても

ちっぽけなことだったって笑い合う日がこの先にある保証なし

海の底まで潜ったら君によく似た人魚姫が泳いでいた

僕の目が見つめる君の目はずっと別人を追うから目を閉じる

始まったもののさだめは終わることだから一緒に此処で踊ろう

急ぎならあたためますか? 解凍は時に任せて、そばにいますか?

「もしもし」と言ったきり口を開かず感情のどれを選ぶの、君

終演を迎えたときに望むなら君にすべてのことを話すよ

僕の愛を受け取らないと決めても信じなくても愛は消えない

君を刺すことばは最初から心の一部だったフリをしている

悪夢でも君が選ぶと言うならばバクにもなれず背景のまま

一寸の隙もなく君は盲信し給え 悪夢から覚めるまで

この桜は咲き続ける キャンバスの上で観た人の記憶の中で

信じるよ何度でも傷ついたって君が言うことすべて飲み込む

何もかも信じられない君は僕が「信じている」と言っても無駄?

うつむいて「よくあることだ」とつぶやく君の本音を聴きたいんだよ

君が僕を後回しにしても気にしない今更 ずっと二番手

食べたことあるのかな君もあの人のカレーライスを覚えている?

使い捨ての心なんていらないと捨てたつもりが捨てられていた

この身体が君を生かすならさあ美味しく食べて全部残さず

「おやすみ」と直接言えるこの距離にいるしあわせを抱きしめ眠る

チカチカと終わりを告げる電球は線香花火の最期のよう

羽を得た餃子はどこへ飛んでいく 皿に残った油は光る

懐かしい 傷だらけの手で首絞め生きようとする痛みに泣く夜(よ)

光っても見てくれないとわかってる季節外れに静かに消える

いつだって解決策は存在を消すことくらいしかわからない

しあわせのハードル下がり昼下がりしあわせな夢を見る休憩

わかってる、変わらないものなんてないってことくらいわかっているよ

覚えてる。僕とは違うぬくい手が迷うことなく触れてきたこと。

花びらのようにことばが舞うならば君にたくさん「好き」を降らそう

消えていくちいさな記憶を抱きしめ「君が好きだ」と囁き眠る

どんな名をつけたのか君から聞きたいとおもう夕暮れ

1日が24時間より長いとしても僕はいまのままかな

僕は僕のまましぬことができない気がする夜中 しぬよりこわい

わからないこと気づかないことばかり身勝手な僕を消したくなる

楽しい日の次の日には苦しくて吐き出さずにはいられぬことば

風の道命舞い散る空見上げはらりはらはら還りたい土

逃げることばかり考え息絶えることを想像しながら食べる

冷ややかな、弱音を吐いてくれた人を励ます僕を見る僕の目

週末の予定に迷い保存した行き先を見る優柔不断

気になっているものはあるのにどれを選んだらいいのかわからない

「生活」を優先すると好きなことができないから厭になっちゃう!

苦しい世。嘘ばっかりの人たちを壊す代わりに画面を割った。

この世から消えたい僕は未来よりいまが大切だから壊せる

人の慣れって強いから苦しさも僕の一部となる日が来るよ

苦しい世。嘘ばっかりのこのせかいを割れた画面で見続けるの。

大丈夫。割れた画面を握った手が傷ついてもいつか癒えるよ。

近づいた喜びよりも傷つけてしまうこわさに震えてしまう

嫌うことがこわくなって自分なら簡単に傷つけられるから

君の中で流れる青の景色が涙で滲み薄れる絵の具

君の中で流れる青の景色を語る絵の具を滲ませる涙

寝ていれば心は平和だから寝るべきなんだよね、夜更かしせずに

「がんばれ」と言われる僕の人生を君は絶対選ばないよね

必要な物が見えないと焦るが本当は目の前にあるのに

必要とおもって買った物たちを見ると苦しくなる部屋の中

物だらけの部屋で何を探すのかわからなくなる どこへ消えたの?

僕以外の名前を呼ぶ口を縫い抱きしめねむる僕の人形

こわい春を見ないように目を開けずずっと冬眠していたいです

産んだのは別のニワトリだと知っていてもどんぶりの上では親子

無関係なのにどんぶりに乗せたら「親子」と呼んで喰らう人間

横顔の輪郭ばかり思い出す君の目が追うのは本ばかり

君の目にうつる光が美しいから僕のほうを見ないでくれ

脳内に僕のスペースがなくなり過去の存在となるのでしょう

たくさんのことばが身体をめぐって僕のあしたをかたちづくるの

撃ち抜かれ、気持ちが溢れ、定型のことばに負ける僕の語彙力

この先も苦しむならばいますぐに自ら終わりにしたくなるの

渡さずに背負っていくと決めた罪 僕とわたしの消えぬ傷あと

ぬくもりが空の入れものから抜けて朽ちてこの星をあたためるの

生きているからこそしんでしまう僕たちだから手を伸ばし触れ合う

花を摘み束ねるようにリツイート この星を切り取る写真たち

君は君を支える人と出逢ったのでしょう。だから僕は要らない。

雪が降る3月に君のぬくもりを感じ、溶けて消えたい、なんて

大人はね、ご飯の代わりに甘味を食べてもいいの。選んでいいの。

頼ってもいい、と判断する相手になれたのだね。それがうれしい。

ねえいつか絞めておくれよ僕の首 口を塞いで心臓止めて

期待せずこのままの僕でいるほうがいいのだろう 僕は僕だから

お稲荷の色も形も現実と変わらない夢の中の稲荷

「本が好きでよかったなあ」と何度もおもうよ。本に救われている。

他者の良いところばかりを見る君が好きだからそのままの目でいて

愚かにも「ずっとそばに」と願うのさ 君の心を支えるものへ

椅子がなく、正座していた僕を見て驚く君に、「変かな?」と問う。

好きなものについて語る人の声をずっと聴いていたいとおもう

読み終えた満足感が消えぬうちに次の本を求めてしまう

楽しそうに食べる君を見て心が満ちた僕はページをめくる

僕の足は今夜も冷え生きているとはおもえない温度を上げて

考えず過ごせるならば僕の中から君を消し離れるべきか

いつの日か止まらなければ終わるはず 本も人生も終わりはくる

手を見つめ、触れる権利は誰にあるのか考えて、時だけ進む

おしまいが見えたらすこし気が楽になるのかなって考えてみる

終わらない気がしてしまう事柄は向き合うだけで疲れてしまう

話したい理解したい、とおもうのに自信がなくてサイトに頼る

誓います。あなたを殺し殺されることを。地上に出たら必ず。

生きている限りはずっと「本が好き」だとおもい、本を読んでいたい

美しい夢を見ているねむり姫 美しいまま永遠となる

「好きだよ」も「君と会いたい」もことばにすべきなのに照れてしまうな

「人生を舞え」と言われてどう動く? 手足は僕の心から遠い。

人生で最もきれいでしあわせで満足する日にしにたいの

吐く息にタバコの香りがしなくてあの人みたいにならなかった

届かない気持ちとしまうのに君は無邪気に僕の心を荒らす

生きたってつらいだけならしんだって君を責めない。選ぶのは君。

ベランダで読書する僕を変だとおもうのですか? 名を知らぬヒト

この星に住む人が撮る写真見て季節の変化を知る屋内

一番の嫌われ者になったって皆(みな)が満足するならいいよ

息を吐く。怒りの裏にある気持ちは操られた過去の悲しみ

いつまでも操れる子とおもうなよ 人形じゃない、感情がある

この胸の痛みが終わりを伝える死神ならばすぐ眠るのに

不自然な君の明るさに吐きそうになる。暗さが好きだったから。

君のため紡いだことばで飾ろう、君の首元、力を込めて。

想像の君とリアルの君はどれほど差があるの? 僕に教えて。

冒頭の一文に惚れ、読みきった本は友人のような気持ち

何だっけ? 考えたこと消えちゃった頼りない僕の脳は黙る

僕に似た殺風景な部屋の中 取っておきたい物なんてない

読み途中の本を抱え飛び乗った電車が向かう先を知らない

ハズレしか引けないのかな アタリ持つ君を見ることしか許されぬ

移動せずまわる遊具に乗り、景色がまわり、せかいはこの中だけ

思い出に苦しめられて救われてくるくるまわる僕の毛みたい

この星で君と出会った幸運を抱きしめ、今夜もひとり、眠る

砕け散るガラスを見つめ気づいたの カケラの細かな光の色

しあわせは永遠じゃないから気づくものなのでしょう、儚さが好き

傷つけてお腹を満たす獣にはなりたくないがもうダメなんだ

何もかも傷つけたなら、満足し、眠ってくれる? 荒れる気持ちよ

僕に棲む獣のような感情を飼い慣らさずに解き放ちたい

「それでいい」と納得する君は僕を支配したいだけなのだろう

望まないオトナになって何年目? 拗ねていたって変わらないでしょ。

進む道も戻る道も用意する優柔不断でずるいヒトだ

新しい春が怖くて「花よ散れ」と呪う僕の醜さよ散れ

話すことができないかもしれないと気づいた僕は沈黙も好き

君たちは生きていくのか、春の日々。光は道を照らすのだろう。

切り替えるコツを知りたい不器用な僕は気持ちの赤点を取る

感情に振り回されず利用する余裕を持って向き合えたなら

君のことを想っている人なのか想像しては勝手に嫉妬

しにたさに同意できないなら否定せず近づかずあなたは生きて。

人びとが起きる時間に眠くなり、日常が逆立ちし始める

どうせなら本を開いて有意義に過ごしたいのに、スマホ離せず

止められず振り回されるくらいならさっさと身体を壊したいの

永遠に眠っていたいから王子は帰ってください、さようなら

消費した僕はゴミ箱で丸まり異臭を放つので気をつけて

誰よりも大きくなった苦しみに隠されるからわからなくなる

救済が早く来るよう望むのは普通のことだとおもいません?

ちゃんと見て。否定しないで。こわくない。最期はみんな同じなんだよ。

いますぐにしんでもいいとおもうから、りんごは君にお願いします

今すぐにしんだとしても泣かないで 僕は望んでいたことだから

宝物になれない僕はゴミ箱の底で灰になる日を想う

満タンに充電しても使い切るほど吐くことばは電子の屑

厭なのに切れない縁を持っているだけでダメージを受けるなんて

通知消し、ほっとする人を消すことが可能ならば平和なのにな

ヤギのように読まずに消したいことばが溜まっていくアプリを閉じる

世界中同じものだけが存在していたら、楽に生きられるの?

ハチミツのような秘密を舐めて壺を壊したってしなないくせに

何のために生まれてきたのかわかる日が来なくても死ぬ日は来るよ

不要だと言われるまでは此処に居る許可をください居場所がほしい

ひとつしか手に入らない世のさだめだから選んで、必要なもの

解決を望んでいるのは心と身体のどちらですか? 両方?

聞きたいとおもいつつ何も言えない僕と居て何が良いのだろう

遠出する君に呼ばれず引きこもる部屋を愛してアイスを齧る

想像の中で遊んでいたいからリアルを見る目は閉じていたい

「いないならいらないよね」と、捨てられる姉のお茶碗は欠けていない

もういないあなたが座る椅子の場所を変えられずに埃がたまる

治らない大きな傷を撫でながら別のところを傷つける日々

いつの日か離れ離れになる心だと知りながら握っている、手。

壊すにはむつかしい僕の気持ちをタイムカプセルに隠してみた

脚本の通りに言えば認められ、生きられる板の上のせかい

嫌いなら傷つくこともないのかな 振り回されて疲れちゃったな

歪んでも気にせず進む力なら間に合っているから他所へ行け

濃い心、離れるまでは見えぬふり。傷つく未来を避けるために。

指先が歌うところを見つめるのは飽きないから、続けていてね

一生を誓えるのかい? 本当に? 相手も自分も裏切らずに?

いい子だね、寂しがり屋のお坊っちゃん。よしよし、私とずっと居よう。

しなないよ。どうせいままで通りだよ。どれだけ自分を否定しても。

耐えられる苦しみはどのくらいまでなのか知るため、もっと耐えよう

流れゆく涙を追って撫でる頬 今夜だけなら許されますか?

僕がいて君がいるのに向こう側に行けないのは何故なの、鏡

奪うなら自分の命だけでいい 命を喰っていきたくないよ

牙もないのに噛み付いて喚いても喰われるだけの命だけれど

「そうですか、わかりました」と受け入れるにはむつかしいこの世が苦手

鳴き声を真似したところで変われぬ生まれたままの身体を睨む

足並みが揃わないって知っているのだから、置いていってよ、またね

有限な時間を消費しないでよ。こっちを見ずに進めばいいよ。

「負けない」と言えない僕は負けていい。優秀な人は先に行って。

願うことすら権限がないのではとおもって、指が沈黙する

慣れている不幸の味にほっとするようなオトナになってごめんね

人さまにご迷惑だとおさえつけ大事でもないのに抱えている

自己否定するところから始まって自己責任だと言い聞かせる

何もかも面倒くさく、怒らずにいたからわからない対処法

不良品回収をお願いします。使えない僕を持って行って。

胸に棲む歪な気持ちを追い出し広い心に横たわりたい

この世からリタイアしても消えぬ罪は生まれたときから僕だった

罪重ね血肉となった犠牲者の死骸の山を下りられず泣く

ゴミ出しの日だけ早起きして二度寝する生活のほうが捨てたい

投げ捨てた感情を今更拾い、広げてもしわくちゃで読めない

飽きたから不要とおもう粗大ゴミの僕を捨てるため、どこへ行く?

ボロボロとおもっていても壊れない心身といつまで付き合うの

代替のきかないパーツではないと気づいたならば隙間は埋まる

ボロボロになっていく君を無視する心は持っていなくてごめん

僕は此処でずっと君のしあわせを祈っているよ。忘れられても。

朝になり、魔法はとける。さぁ起きて。新しい君は歩けるから。

君のこと愛で包むよ。にくまない。安心してよ。ひと飲みにする。

君たちをひと飲みにし内と外で混ざり合って朽ち果てたいの

「かけすぎた塩のせいかな」目を拭いて、川を泳いで行く姿想う

本当はもっと触れたい、言いたいよ。「すき」君の声、聴いていたいよ。

目覚めずに楽しい夢を見続けてピーターパンと遊んでいたい

好き嫌いなく躊躇わず奪うのに命が嫌いと言う罪人

触れるのにつかめない距離の間にただようことばはホコリのよう

脳内で鳴る警報を聞かないで明日を捨てて触れる罪悪

先をゆく耳がとらえる靴の音 どんなリズムにきこえるのかな

人を避けページをめくる夜も本は変わらずいてくれるから好き

『どうしたの』「何でもないよ」嘘をつくことには慣れた壊れた心

首を絞め「フツウって何」と問う過去の僕にケジメをつけてもらう

無理です無理他者のマイナスに侵され僕の心も余裕がないの

冷える足冷えた手で撫で丸くなる 僕を撫でてよ愛おしいひと

忘れろよ、馬鹿な頭が作り出すくだらない夢。不要だろ、僕。

嗚呼またか。君の思考はいつもそう。だから無理だよ、近づけないよ。

よくしゃべる。僕がいないと元気だね。そんなにこわい? 消えるべきかな。

胸の内短いことばにたくして伝わるまでの間(ま)を長く取る

感情がパンダだったらいいのに 笹しか食べぬ肉食獣よ

書き慣れぬ本名の線の揺れ見て気づかれる僕の心の揺れ

冷えた手が語ることばの宛先は六弦に触れる手の鳴るほうへ

楽しげに話す脳内の僕たち 理想は理想と割り切れずに

曲流し再生される君の声 僕だけのため歌っておくれ

汚れても忘れたくないと温もりを抱えて眠る僕をゆるして

弱い君操ることが楽しいの? いとが絡まり苦しむのに

夜更かしをしても無駄だと知ってなお光を求めスマホを開く

サボらずに時を刻めよ心臓め 止まれば楽になるはずなのに

ろうそくをへし折りつぶし火を消してこんな命は不要と叫ぶ

生も死も面倒くさい知ることもすべて放棄し無になりたいよ

好奇心で手を伸ばして大火傷 このあとはどう しようもないよ

「がんばって」眠れない人に声かけ朝までせかい忘れる人よ

ペンライトあんなにきれいに光った夜を忘れてゴミ箱の底

止まるなよ こんなところで朽ちるツタではなかろうよ 伸びてはなれて

大切なあらゆることを諦めた そのうち忘れ空っぽになる

『馬鹿だな』と心の僕が嗤うのを無視してきょうも想う彼方を

この時間君はねむっているだろう 遠くのまちで僕を気にせず

「ゆるす #とは」検索窓に放り込む知りたい想いは嘘じゃないよ

ゆるします。ゆるしてほしいとおもっているなら君を否定しません。

見えぬなら此処で叫んでもいいかな 見えない君の記憶に居たい

息絶えて先を知らずにいるほうがしあわせなのか神のみぞ知る

痒い肌カサカサするとつらいから動きにくさや寒さを我慢

厭ですね。勝手にすればいいですよ。お門違いな道化は愚か。

君を待つ。平安時代みたいだね。昔の女性たちはえらいな……。

間違いとわかっていても言う僕の罪は重いとわかっているさ

学んだよ触れてはならぬモノもある 忘れ近づきしぬのは愚か

影法師届かない僕のことばを押しつけられてなお側にいる

僕は此処にいないほうが傷つかず傷つけることもなくて平和

止められぬことばの雪崩を消せないなら死者が出る前に隠そう

「カミサマ」になりたい君は耐えられる? だれかのオモイにつぶされずに。

聞こえたな、寝ていたはずの君の音。僕のせいかなって気になるな。

境目に動く人の目がとらえる時計の針は進み続ける

朝が来ることがこわいと言う君の手を握る僕もこわがりだよ

あの頃はひっくり返る生活を思い浮かべず暮らしていたな

お昼寝の時間に揺らす小さな歯口いっぱいの血で話せない

残さずに君のことばを飲み込んで僕の一部にすればこわくない

溢れ出ることばをぶつけ果てのない夜をさまよう獣になった

温もりを知らないままで耐えるだけなら楽だった。待つのはつらい。

綴ろうか? 目を覚ましても此処にいると伝わるように君のために

真っ暗な部屋で取り出す遠い日はあやふやな夢のようできれい

眠れない夜を忘れて交わし合う流星のような文字は消えた

この世では縁なき人よ、来世ではじゃれあう仔猫にでもなろうか

刎ねられた首を抱きしめささやくの、認められない愛と憎しみ

生きるのも死ぬのも厭な僕たちは傷だらけの手を握り合った

流れた血で汚れる手が日常とならないままでいるのはいいな

ベッドから半身ずり落ち血がのぼる。しにぞこなったときみたいだね。

十分に苦しみました、もう二度と現れないで醜い悪魔

深い意味はありませんよ、どうぞそのまま踏みつけて去ってください

どうですか、知らないことは罪ですか? 知っていることは罪でしょうか?

見たくない、心を許すその姿。よそでやってよ、知りたくないよ。

思い出の川はきれいだ、いつまでも。壊したこちらの罪は重い。

「かけすぎた塩のせいかな」と目を拭き、頭の中で泳がせてみる

おにぎりを頬張りながら泣いた日を塩を手に取りふと思い出す

外野からのたまう方はいいですね、知らないままで過ごせますから。

無だったらそのままでしょう、安心ね、何もない道を想像する

戸惑うの、視界に入るべきじゃないから消えたいの、でも此処にいる

「好き」のこと、どう答えたら良いのかな……。物や人、「好き」と感じるけど……。

「やっぱ無理」と言われるほうが悲しいから、最初から手を出さないで。

この荷物重いから無理しないでよ。持たなくていい。ひとりで持てる。

君はあす、この感情を抱くのか? 僕の企みで傷つけるかも

忘れたと思い込むなよ、行かないで……僕の中には君がいるのに

諦める。手が届かない距離の君。ことばにしてもどうせ無駄でしょ

除け者と思い込む君を抱きしめ「僕がいるよ」と伝えても無駄

完璧を求めるくせに雑なやつコロコロ変わる気持ちとことば

匙汚れ生きる罪業痛感し隠すかのように洗い落とす

もうちょっとがんばってくれ 次の子にバトンを渡す日まではどうか

僕の罪 無邪気な顔で誘い出す ころしてくれる人を求めて

すぐに減る電池の残り寿命かなハードモードな日々の相棒

「良かったね」過去の自分がささやいて「忘れないで」と絞めてくる首

泣くほどに好きだったのに絵を渡しことばは胸の内に秘めた日

いつもなら苦手とおもい距離を置くタバコの香り好きだった時期

若き日のただの憧れ遠い年思い返せば子どもだね君。

分岐点触れずにいたら変わらないきれいなままの君だったのか

海のよう広がる服の下にいるメガネのことを忘れるほどに

狂わせたニンニクの味噛み砕く大きめの具が入ったカレー

今夜だけメガネ外した眼に映る すぐに逸れると知っているけど

確実に歪んだ基準鈍る僕「たったこれだけ」とおもう呼吸

「しあわせ」とおもってしまう愚かさを忘れることはないのでしょうね

聞かないで放っておいて大切な声も気持ちも僕のものだよ

かなわない。そんなの理解していたよ。語り明かしたとき気づいたよ。

やめておけ、言葉を連ね傷つくと回復までに時間がかかる

僕じゃない、君の隣にいる人は。よりふさわしい人がいるでしょ。

子のように「構ってほしい」と泣いても無駄と何度も経験したのに

奪われた気持ちになるの馬鹿みたい。元から君は此処にはいない。

「お邪魔してごめんなさい」と言えばいい? 壊されたのはこちらのほうよ。

忍び寄る冷気から逃げ潜り込む布団の中も冷たいと知る

苦しさと向き合わずに逃げようと考えるのは有罪ですか?

君と会い死に損なったあの日から僕の中には消えぬ灯火

温もりを教えてくれるヒーターに甘えてばかりの僕でごめん

プレゼント何が欲しいか聞かれたらいつも答える「君との時間」

五日目に年を間違え書き直す毎年遅い僕の切り替え

「正しさ」がずっと続くかわからない勝手に動く心と身体

「かみさま」は僕にはいない「推し」でいい 身近な人を愛したいから

「 わかってる、守らなきゃっておもってる。でも楽なんだ。傷つくほうが 」

『 いまもなお傷ついている僕のこと否定しないで認めてあげて 』

「望みすぎ」「愛されていた」「贅沢だ」言い聞かせたら納得するの?

親子見て子になりたいとおもうのは認めたくない過去のせいだよ

『ガキだから』「愛さなければ」『家族でしょ』内外からの消えない呪い

「 家族 」って呪いのせいで憎むことすらできなくて自分を責める

性別で人を判断したくない一生消えぬ呪いだとしても

「こわかった」認めるだけで涙出る 傷が見えないことばの刃

変わりたい 人を傷つけずにいたいからきれいなことばきれいなすがた

生まれた日人それぞれの区切りには死にたさ募る絶望の朝

息苦しい狭い世界と知るまでは広い空想せかいをつくれ

他者からはえくぼに見えるあばたもね 愛せなくても僕が愛すよ

駆けていくあの日生まれた恋心 ランドセル背負う歳になるのか

君がいるふしぎとおもう気がつけば小学校に入る年数

スマホからはみ出す指をつまんだら君の視界に入れてくれるの?

こわくなる受け取る好意身に余る 愛されてもいいのだろうか

ネットなら削除ボタンを押せばいい あらゆる感情なかったことに

「何もない」下を向く君に背をあずけ「揺れる葉はきれい」と伝えたい

側にいて 手を離さずに君とならこの夜長すら心地良い

大丈夫慣れる苦しみ心止め冷凍すれば何でもないよ

諦めた絶望の底見上げたら遠くで揺れる海面の光

君が問う「何故苦しいの」僕は言う「消えることすらできないからさ」

逃げていく余白があればふわふわと白さに馴染む雲になりたい

対話する逃げるものか決めたんだ 己とまわりと向き合うのだと

「馬鹿みたい」? そうおもうならそれでいい 信じるものは自分で決める

傷のあと勲章とはおもえない もっと抉ってしにたくなるの

裏の顔知らなかったなあの集い 人の繋がり素直がいい

そわそわと君がくる朝準備する 早く聴きたいよもやま話

「あさ」とだけ送られきたメッセージ消されることば見ちゃった通知

冬が好きしあわせ続く幼き日もらう愛情思い出すいま

唐突に差し出す本に託された違うことばは君の中の僕 (たち)

リスみたい頬張るお口愛おしいたくさんお食べずっと見ていたい

指先がいつも楽しみ変わる色かわいい君のおしゃれな心

希死念慮「きしねん」と言うその音が「きしめん」みたい かわいいとおもう

「全部いい」言えないけれどそこまでは なるべくゆるす味方になりたい

不完全それが人間受け入れる 君がダメだとおもうところも

隠された君の弱さを知っている弱い自分に何ができるか

文字だけできれいとおもう「四面楚歌」大ピンチだとおもわなかった

聴きたいよ 人によっては否定するマイナスの気持ち 君の本心

僕と君悩んでばかり生き方を話してみたら変わり始める

人による「正しい」の意味掲げたら受け入れられぬ自分以外は

みんなそう自分基準だ判断は この人生しか経験できぬ

別々の反応するな心身よ 思い通りにならぬ人生

あいしたい君のすべてをこわくても 望むかたちと違うとしても

あたたかいきみのてのひらかえりみち そばにいられるみらいをねがう

生きてきた髪の長さが君の為活かされるならしんでもいいわ

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