映画『アイネクライネナハトムジーク』読書好きの感想とプチ解説(2019年9月公開)

映画『アイネクライネナハトムジーク』映像

小説の実写化ってどきどきしますよね。読んでいる間の自分のイメージと、形にされたものの差はどれほどあるのか……。
好きな作品または作者だと、その気持ちはなおさら強くなります。

高校生の時、「一番好きな小説家は伊坂幸太郎さん!」と答えるくらいのめりこんでいた筆者が、『アイネクライネナハトムジーク』の映画を観てきました。

織(しき)
織(しき)

癒しを求める人におすすめの映画です!

あらすじ(ネタバレなし)

仙台駅のペデストリアンデッキには、さまざまな人が立っていた。
街頭アンケートに苦戦している会社員の男性、“シャンプー”と手にメモしているスーツ姿の女性、弾き語りミュージシャン、大型ビジョンに映し出されるヘビー級ボクシングの試合の観戦者たち。

その日が、忘れられない一日となった人びとの<出会い>を描く物語。

そして10年後、人間関係はまた、変わっていく──。


原作は、ペンギンたちが空を見上げている表紙が印象的な、伊坂幸太郎さんの『アイネクライネナハトムジーク』という小説です。


こちらは連作短編集。

「アイネクライネ」から始まり、「ナハトムジーク」で終わります。
※どちらも短編のタイトルです。

この映画の特徴

冒頭で街頭アンケートを実施している会社員・佐藤さん(三浦春馬さん)の話が中心ではありますが、群像劇なので、周りの人たちにも焦点が当てられます。

それに関連して、大きな特徴が2つありますので、ご紹介します。

10年の時を境に前半と後半に分かれている

映画のスタートは、“現在”よりすこし前。パソコンや携帯電話、服装など、懐かしく感じる人も多いのではないでしょうか。

佐藤さんの友人、織田夫婦のお子さんが、10年経つと立派な高校生に成長します。しかも、マドンナだったお母さんに似て、とても美人。

後半(10年後)では、この女子高生のエピソードも物語に絡んできます。
青春~~!」と叫びたくなるシーンもあります。胸きゅんです。

繋がっていく、人・ことば・動き

伊坂幸太郎さんの作品は、ちょっとした台詞やエピソードが後々出てきて、おもわずにやっとしてしまいます。その伊坂節、映画内でもさく裂していました。

なかでも個人的に好きなのは、2ヵ所。

  • ダメですか?
  • あの、この方が……

観ていない方は「何のことやら?」と感じるでしょうが、ネタバレになってしまうので、言えるのはここまで。どのように繋がるのかは、実際にご覧ください。

織(しき)
織(しき)

さまざまな繋がりを確認するために、

もう一度観たい

観終えてすぐの感想です。そうおもうくらい、丁寧に描かれています。

「アイネクライネナハトムジーク」の意味

Eine Kleine Nachtmusik

スペルを見てわかる通り、英語ではありません。ドイツ語だそうです。
この言葉の意味は、“小さな夜の音楽”。

翻訳機を頼ったところ、“リトル・ナイト・ミュージック”と出ました。そのままでした。
ドイツ語の「Eine Kleine Nachtmusik」ha 英語だと「a little night music」と翻訳される。

主題歌が「小さな夜」という曲名なのは、このタイトルからきているのは想像に難くありません。

この映画と相性がいい人・悪い人

これから映画を観に行く人は、以下のリストも参考にしてもらえると嬉しいです。

  • ゆったりと、リラックスして映画を見たい人
  • 人と人のつながりが徐々に明かされる群像劇が好きな人
  • 仙台や宮城出身、または在住など、舞台と関わりのある人
  • テンポ重視で、ストーリーがサクサク進んでほしい人
  • 派手なアクション、事件など刺激的な内容を求める人
  • 途中で時間が飛ぶのが苦手な人

また、UDCastに対応している作品のため、目や耳が不自由な方、外国の方も安心して楽しめます。

“字幕や手話の表示、音声ガイド再生等を行うことのできるアプリケーション”です。

筆者感想

気になったポイントは3つ!

  • 丁寧な撮影は丁寧に観たくなる
  • 街の風景に溶け込んだミュージシャン
  • マドンナ若ママからしっかり子育てお母さんに

丁寧な撮影は丁寧に観たくなる

とても丁寧に撮る監督さんだなぁ……

と感じました。

役者さんの何気ない仕草や表情を逃さず、観客にきちんと伝えてくださる。
特に、桜のシーン。大変失礼ながら、あれほど人の手が美しく見えたのは、初めてでした。

作品を受け止める観客側も、丁寧に、細かなところまで観たいと感じました。

街の風景に溶け込んだミュージシャン

作中、10年という短くはない時が流れますが、ずっと仙台駅で弾き語りをしているミュージシャンが気になって仕方なかったです。

同じ場所で同じ服装で同じ歌をうたっている……のに、ほとんどの人に立ち止まってもらえないというのが、ミュージシャンの心境をおもうと悲しくて……。
もはや街の一部と化していました。

不思議なミュージシャンの歌声にも癒されました。

マドンナ若ママからしっかり子育てお母さんに

織田家のお母さん、由美さん(森絵梨佳さん)は学生時代多くの男子が憧れた存在でした。子ども2人を育てつつ、美しさも失っていません。

10年後の由美さんは、疲労が滲むものの、家族にそそぐ愛情は変わりません。その間、喜怒哀楽をともにしてきたのだと伝わってきます。
ほかの出演者も時の流れを感じる部分はあるのですが、最も顕著でした。

旦那の一真さん(矢本悠馬さん)のほうがキャラが濃いので注目しがちですが、陰で支え続ける由美さんのことも、ぜひ気にかけて観てください。

映画情報(敬称略)

『アイネクライネナハトムジーク』

監督:今泉力哉
原作:伊坂幸太郎
脚本:鈴木謙一
主題歌:斉藤和義
出演:三浦春馬 多部未華子 矢本悠馬 森絵梨佳 貫地谷しほり 原田泰造 他
公開日:2019年9月20日(金) 全国ロードショー
上映時間:119分

Blu-ray&DVD発売

2020年3月25日、ついにBlu-rayとDVDが発売されました。
自宅でこの物語を楽しむことができますね!

通常版DVD


豪華版Blu-ray


映画館で観た方も、タイミングを逃してしまった方も、是非。

参考リンク (敬称略)

記事内で触れたことについて、詳細は以下のリンク先をご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました