『あまざらしの庭園』
『あまざらしの庭園』
豆塚エリさん
こんぺき出版
読書記録
2022/02/05 p.4-31
p.4
“
光の筋が
カーテンの隙間から延びる
”
朝や夕方の、ひとすじの光が好きです。美しいですよねえ。
p.4
“ぶどうの房のような肺胞”
この表現、好きです。
p.4
“(まぶたに透ける赤)”
目をつぶっているのにまぶしくて、ふしぎだなぁと幼い頃考えていました。
p.5
“
からだは生きることに執着し
とうとうわたしを支配する
”
……厭になっちゃいますよねえ。わたしの身体はわたしのもののはずなのに、気持ちに反して、この身体は勝手に生きようとします。
生存本能なんてなければ、わたしは、此処にはいなかったのに。
p.5
“
茶摘みの女たちの
指先を傷だらけにした茶葉
”
茶摘みをしたことがないのでわからないのですけれど……怪我をしてしまうものなのでしょうか?
先日読んだ本に、静岡の中学生は茶摘みをすると書かれていてびっくりしました。
授業を受ける生徒たちの手にも、傷はできていたのでしょうか……?
p.7
“だから僕はもう行くよ”
行動できる人って、凄いです。
p.8
“五棟全焼三名死亡、角砂糖二個とミルク少々”
なんだかリズムが良くて、声に出したくなってしまいますね。
演劇『わが星』を観ているときも、リズムが心地よくて、ずっと耳を傾けていたいとおもいます。
p.10
“
パンデミックは
きがつかないうちにおこっているの
”
いつのまにやら。あっという間に。
びっくりしたときにはもう遅いのでしょう……。
p.11
“
きらきらはぜつぼう
みをゆだねたらきもちよくて
”
ことば選びもひらがな表記も、好きです。
p.15
“
メリーゴーランドの
終わりと
始まりは
どこ?
”
この感性、好きです。こんな風に考えて過ごしたいです。
まわるまわるメリーゴーランドの切れ目を探して目をまわして、きらきらした光しかわからなくなってしまいたいです。
p.22
“
甘く砂糖につけられて
すみれの花よ、
”
江國香織さんの、『すみれの花の砂糖漬け』を思い出します。
p.23
“
私たちは二度と目覚めないことを期待して
日々眠りにつくのに
”
その期待は毎朝裏切られ、悲しくなります……。少なくとも今朝までずっと、そうでした。
p.27
“
どうしたら、
どうしたら、わたし
大切にできる、の
”
たくさんの読点から、泣き声が聞こえてきます……。
p.30
“この詩集の表紙の絵を描いてくれた女性だ。”
この表紙だから、惹かれ、手に取りました。
p.31
“正直なところ、彼女の絵をよくわかっていなかった。”
正直なお人ですね。
p.31
“夜の濃さに溺れそうになっていた”
溺れるイメージがあるのですね。わたしは押しつぶされるイメージがあります……。
p.31
“祈るしかないなと思う。どうか届きますよう。”
先ほど読んでいた漫画でちょうど、祈りについてえがかれていました。
祈りは詠唱で、その詠唱は正しいか? 精霊(ここでは神さま)のイメージは正しいのか?
魔法があるせかいでの宗教、神さまのお話。
正しく祈りを届けたいですね……。
読了しました。
詩をすべて読んでから是非、あとがきを読んでほしいです。タイトルに込められた想いや、何を感じてらっしゃるのか……伝わってくる気がします。