『ちはやふる』33巻(ゆったり読書感想)

ちはやふる ㉝読書

『ちはやふる』


ちはやふる ㉝
末次由紀さん
講談社
#読了

一話一話濃厚で、同じ巻の話でも、とても昔のエピソードに感じてしまいます。

年単位でひさしぶりにこのシリーズを読んで、流れをすこし忘れてしまっていても、彼らががんばってきたのは覚えています。だから泣いてしまう……。

カバーの歌は、

憂(う)かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを

「うかりはげ」……!
小学生のころ、きょうだいと「はげー!」言いながら取っていた歌です。ごめんなさい、小さかったものですから、そういった音に反応してしまうお年頃だったのです。

「肉まんくん」こと西田くんが格好良い巻でした。

第一六九首
人の能力は、どれだけ向き合ってきたか……それによって変わるとおもいます。一朝一夕で強い人に勝てたらそれはもう、天才ですね。
たぶん、非凡な自分から見て”天才”だと感じる人もきっと、努力しているのです。知らないところで。

「毎日」……それぞれどんな毎日を送ってきたのか……。

実力で勝負するせかいは、ほかの人より秀でることが一番”良い”ことなのかもしれません。トップに立てるのは、「名人」あるいは「クイーン」になれるのは、ひとり(ずつ)。

じゃあ、そのひとり以外は”ダメ”なのか……そんなことはないのです。


脱線しますが過去の話を……。必ず戻るので!

先輩後輩がほぼいなかったり、
関係性が緩かったり、
上下関係が厳しい部活(野球部とかそんなイメージ)に所属していなかったので……”先輩”がわかりませんでした。

大学でようやく、先輩も同輩も後輩も多くて人間関係が複雑な環境に所属しました。

いろいろなことを教え、導き、先輩としてがんばる同輩が格好良かったです。自分もそれを望まれていたのでしょうけれど、うまくできませんでした。

ただ生まれた年が違うだけ、
ただ入学する年が違うだけ、
しかも20年前後生きている大学生なら大差ないように感じていました。

織(しき)
織(しき)

自分にできることって何かな

って迷走していたし、できない自分に対して苛々してしまうこともありました。未熟でしたねえ。

結局主に何をしたのかというと、傾聴
ひたすら話を聴くこと。そばにいること。

みんな、頭がいいから、わたしごときの意見なんて不要なのです。
わたしに話す、というアウトプットを通じて考えをまとめて、自然と気持ちや考えを整理していました。


このエピソードから何が言いたいかというと、いろんな”先輩”がいてもいいんじゃなかろうか……とか……おもうのです。

千早ちゃんのようにかるたにまっすぐでどんどん勝っていく先輩も格好良いし、
西田くんのように後輩をきちんと見て声をかけていく先輩も格好良いです。

人間だからどの先輩が好きとか嫌いとか、感じるでしょうけれど。どの人から何を吸収していくのかは、後輩の自由だとおもいます。
かつて「後輩」だった花野さんが立派になっていて、瑞沢は良い環境だったのではないかなぁと感じました。

みんなが真剣に向き合っていたから、ですよね。きっと。

第一七〇首
戦闘服コンビ格好良いです。

「大丈夫です」

戦闘服コンビとお母さまがふわふわしている相手に静かに怒り、それをパワーにしていくさまがいいですね。

第一七二首
百人一首で好きな歌は、

めぐりあひて 見しや夫(それ)とも わかぬまに
雲がくれにし 夜半(よは)の月かな

紫式部さん。

『ちはやふる』は歌の一部しかセリフに出てきません。みんな取るスピードが速いので。
それでも好きな歌は、わかりますね。そのことがうれしいです。

第一七三首
百人一首の歌で例えるところがさすがです。

千早ちゃんの変顔をひさびさに見ることができて、つい笑ってしまいました。自分が美人だと自覚していない美人さん好きです。

部活ってふしぎですよね。

中高なら3年、大学なら4年、いろんな人とひとつのことに向き合う……。
その期間が終わったら”部活”としてはもう、続けられないのです。同じメンバーで同じ場所では、もう二度と。

だから、第一七三首の先生のことばがぐっときました。

ちょくちょく赤面する新くんかわいいです。
青春……。

競技なので汗をかくシーンが多いのですけれど、きれいに見えることがふしぎです。(絵がきれいだから、というのももちろんあるけれど)
全力で青春している彼らがまぶしいです……。

百人一首のことばは、うつくしいですね。

参考リンク

読了ツイートまとめ

タイトルとURLをコピーしました