すこしふしぎな、此処ではないところ

日々

コップの柄が色あせているさまを眺めて、時が経ってしまったことを痛感しました。あの日、ひとりで、大好きなアーティストさんに逢いに行きました。そのときに購入したグッズのひとつ。
コップも彼らもわたしも、変わってしまいました。

2021年1月29日(金)

「大家さんと僕」と僕』で裏側を知ることができるのも面白いのですけれど、『大家さんと僕』と同様に漫画で表現されている『これから』がとても面白いです。
『と僕』のほうでは現実世界のニオイが強いです。矢部さんご本人のことばや、まわりの人びとのことば、写真等、あまりにも生々しいです。それらを知ることで、本編を深く楽しむことができるので、嫌いではないのですけれど。
わたしの場合は、「現実」が苦手なだけです。ちょっぴりふしぎな表現も混ざっている漫画のほうが、居心地がよいです。

時間も、自分自身も、何もかも忘れて、物語のせかいに浸っている時間がすきです。余計なことを考えなくて済む、ある意味、“無”になれる瞬間。

読書記録

宇野千代集より、「色ざんげ」
p.85
“ほしいと思ふときにはまるで這入らず、もうほしいとは思はぬときにはこんなに集つて来る”
欲って不思議なものですよねえ。欲しいほしいとおもうほど遠のいていきます。ガチャでも、人間関係でも、何でも。

p.88
夢うつつで、“雪が降つてゐる”とおもうこのシーン、美しいですね。
真っ白なシーツ、真っ白な雪。“しんしんしんしん”、と……。

きょう読んだ本

宇野千代・岡本かの子集
色ざんげ
宇野千代さん
講談社
p.84-88
1月1日からちまちま読み進めていた「色ざんげ」、ついに読了しました。

ヒトは、どうして生きているのでしょう。どうして生きている間は欲望から逃れられないのでしょう。
欲に振り回されてしまっている姿を見て、まわりの人がどんなに馬鹿馬鹿しいと感じても、醜いと感じても、本人にとっては大真面目に考えているものです。その瞬間は。
ある程度コントロールできている人のほうが、立派に見えます。立派な人になりたいですね……。

この小説を読んでいて、ごたごたした問題を、第三者で眺めている分には気楽で、面白がることができるのだと感じました。それはある意味、わたしも醜い人間であるということ。


大家さんと僕 これから
矢部太郎さん
新潮社
p.68-174
読了しました。

前作『大家さんと僕』でおおよそ知っていましたけれど、同じ時間を過ごしたわけではないので、当然ながらまだまだ知らない大家さんがいました。ことばにしてしまうと陳腐になってしまう気がするけれど……絆を感じました。時間を共有したからこその、強い、つながり。
いい本でした。

2021年2月1日深夜 執筆
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