絶望の朝を迎えても自分は自分のまま

日々

ある朝、織が気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で視界を失いかけた本の虫に変ってしまっているのに気づいた。

フランツ・カフカさんの小説、『変身』の主人公であるグレゴール・ザムザさんは、“そのとき”にはもうどうしようもないほど変わっていました。わたしの場合は、醜い姿に変わりかけていました。

見た目が変わっても、中身は一緒。だから苦しむのでしょう。

2021年1月20日(水)

病院の長い待ち時間はそれほど嫌いではありません。適度なざわめきに包まれ、電車の中やカフェにいるときのように、集中して読むことができます。集中し過ぎると自分の名前を聞き逃してしまうので、現実世界から意識を完全に切り離すことはできないのですけれど。

病院の何が苦手かというと……自分で自分を説明しなければならないこと。積極的に生きているニンゲンではないので、いつから症状が出ていたのか記憶にありません。まだいける、まだがんばれる、とおもっていたら急に動けなくなっていました。本当は急ではなかったのでしょうけれど、これくらい大したことがない、とスルーしてしまうのです。
いつも、心と身体の足並みがそろいません。心身ともに弱いくせに、普通の人のように、あるいはそれ以上にがんばろうと無理をしてしまいます。その努力の仕方は間違っていると何度経験しても、学びませんねえ……。

今回の症状は、「カポジ水痘様発疹症(カポジすいとうようほっしんしょう)」と呼ばれるものらしいです。「要は『単純ヘルペス』です」と皮膚科の先生に言われました。どちらの名前で言われてもわたしにはピンとこないのですけれどね。
母に聞いたところ、わたしが人生で一度だけ入院したときの原因も同じものだそうです。そのときほど症状が悪化しなかったので、ギリギリ、薬でなんとかなるレベルだったのかもしれません。(入院したときは点滴で治療しました)
皮膚科と眼科の先生おふたりに、「絶対薬を飲んでください」と念を押されました。承知しました。

きょう読んだ本

惑星
片山令子さん
港の人
p.28-79

2021年1月23日夜 執筆
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