何かを手に入れたら、何かを手放さなければなりません。「等価交換」と某鋼のお方もおっしゃっています。
家から離れ、外にいると、当然家のことができません。きょうもできなかったことをつい、数えてしまいます。
けれど、外に出なければ出会えなかったものも、あります。冬の風の冷たさ、美しいすすき、楽しそうに歩くわんちゃんたち。そういったものを、数えていきたいです。
2020年12月6日(日)
天気:晴れ
真っ赤な紅葉の向こうに、真っ赤なユニフォームを着た野球少年たちが見えました。赤、赤。
そんなことを考えながら校庭の横を歩いて行くと、赤く染まった柿の実がひとつ。夕日に照らされて、輝いていました。赤、赤。もう一度心の中でつぶやいて、力強い日の光から逃げるように、早足で歩き去りました。
生命力が強いものたちは、苦手です。
嬉しかったこと
歳を重ねてから、この土地の魅力を理解できるようになりました。
たくさんあるもの。本屋さん、図書館、パン屋さん、坂道、お寺、歯医者さん、木、幼稚園、そして公園。
広い公園に行ってみたら、夕日が木々に隠れてしまって、予想以上に寒かったです。いちおう、ベンチに座ってすこしだけ本を読みました。けれど数時間居すわるつもりで来ていたので、予定よりはやく身体が動かなくなってしまうとおもい、あきらめました。
次に向かったのは小さめの公園。バドミントンをしている親子以外、ひとがいませんでした。(此処なら落ち着いて読むことができる……)と一安心。夕日に照らされていたベンチに座って、(ただの本好きですよ~怪しくないですよ~)と親子に念を送りつつ、読み始めました。
なんと、前回読んでいたのは5月……! 半年くらい放置してしまっていました。
再スタートが「白檀」でよかったです。上品なヴェール──と表記したくなってしまう──の向こう側で、ひとの闇のまがまがしさを隠し持っているところを、隙間から覗き込むような物語でした。
ひとによっては、何も気づかずに読んでしまうのでしょうか……。昔の知人は気づかなそう、とふとおもいました、いま。ご縁が切れてしまったので、どのように過ごしているのかわからないですけれど。
さらっと読むと、ほんわかあたたかい、イイハナシダナー、と感じる物語なのかもしれません。けれどわたしは、違和感を無視できないところが何ヵ所かありました。作者さまはどこまで意図的にえがいているのでしょうか……。
家族の呪い、男の一方的な欲望、結婚の固定概念、嫉妬心……。とりつくろっている人びとの話でもあるのではないか、と感じました。
えらかったこと
緑色の宝石のような……透明できれいなお薬(宝石の種類については詳しくないので、アレのような~……と例えることはできないですけれど)。いつも、飲む前にすこし眺めてしまいます。だいたいその薬に頼るときは、体調が良くない、余裕がないはずのタイミングなのですけれどね……。
去年まではひたすら痛みに耐えていました。どんなに体調が悪くとも、市販のお薬は購入していませんでした。けれど今年から頼るようになり、以前より、ほんのすこし楽になりました。
身体からの「不調ですよ~」の声はしょっちゅう届きます。そのたびに頼る、わたしの宝石。