じっくり作品と向き合う時間が取れると、心が満たされます。
それが、ざわざわした気持ちになるものだったとしても。
だからきょうは、いい日でした。
2020年8月30日(日)
天気:晴れ
『嘘解きレトリック』という漫画がございます。
主人公は“嘘”が聞こえる少女・鹿乃子(かのこ)さん。
この作品の面白いところ。
聞こえる“嘘”は、その人が嘘をつこうと意識しているときだけ。真実ではないことでも、その人が嘘だとおもっていない場合は、彼女の耳には聞こえません。
この世にもそのような人はおりますね。
一説によると、嘘をつき続けているとやがて自分の脳もだまされ、それが本当のことだと思い込むようになるそうです。嗚呼、なんと恐ろしいこと……。
……では自分は、“嘘”をついていない、と自信を持って言えるでしょうか?
いつの間にか真実だと思い込んでいるところがまったくない、と言えるでしょうか。
嗚呼、己も恐ろしい……。
えらかったこと
仕事ができる人は、行動が速い。
それにあこがれて、動こうとするけれど……
後回しにしてしまったり
抱えこんでしまったり
身体が動かなかったり
わたしはのろい。
それでも最近は、意識しているおかげでちょっとだけはやくなりました。いいこと。
大きな乗り物に乗らない日々
来週、親孝行をする予定です。「孝行」なんて言っても、ただ、一緒にまったり過ごすだけですけれど。
その日の電車の時間を調べました。
電車に乗るのはいつぶりでしょうね……。ずっと遠出していないので、もしかしたら、前職を辞めた日が最後……?

いや、まさか……。

でも、月単位なのは確か。
東京は1時間で景色が変わる
人が少ない場所に行ってきます。都会のビル群よりも、ほどほどに自然が豊かなところのほうがすき。
電車に揺られるのは約40分。遠い地だとおもっていたけれど、それほど離れていないのですね。
もしも現職の会社に通勤することになったら、そちらのほうが遠いと気づいて、びっくりしました。1時間20分……。

1時間以上の通勤通学未経験……。
いままでは近さで選んでいたものですから。とても不安です。
早起きと移動だけでへとへとになってしまうので、引き続き引きこもっていたいです……というのが本音。
嬉しかったこと
TwitterのRTで知った、『烏に単は似合わない』のコミカライズ全話無料……!
4巻丸々ですよ、凄いですよね! テンションが上がりました。
漫画は未読だったので、これは読むしかないな、とおもいました。
原作の小説は一度、何年か前に読みました。単行本しかなかった頃なので、2013年くらい?
美しく、恐ろしい
「第0話 はじまりの春」で始まり、
「第38話 はじまりの春」で終わる。
そのなんと美しいことか……。
これはすこしネタバレなのですけれど、
1巻のラストの描き下ろしが伏線だなんて気づいていませんでした。
原作のラストは頭が混乱していて、衝撃的だったことは覚えているのですけれど、詳細は忘れてしまっていました。

なんだかとても恐ろしいものを見てしまった……。
当時は性善説を心から信じていたものですから。人は基本的にはイイヒトで、よくよく話せばきっと通じ合える、なんて幻想を抱いていたものです。
残念ながら、この世はもっと複雑怪奇。
人間の裏の顔
お子ちゃまだったわたしは理解できなかったけれど、現在は4人の姫君の魅力がわかるようになりました。
一番すきなのは、真赭の薄(ますほのすすき)さまです。取り繕っていない後半の彼女がすき。
“美しいものやかわいらしいものはみんな好ましい”とのことで、そういった点でも気が合いそうです。
姫たちには姫の事情があり、女房には女房の考えがあり、御家には御家の戦略があり……。
みんな裏があって、怖いですね。
『クズの本懐』をおもいだしました。これはメインキャラクターが全員“クズ”の物語。
“普通の人”のように見えても、実は歪んでいる人間……。
モカちゃんが好きだったのですけれど、ラストでまさかまさかの茜さんに一番共感してしまいました……。わたしもクズな人間なので、この作品はぐさぐさきました……。

漫画貸した後輩! 再読したいから返して!
戸惑う共感

あれ? 最近考えたことがそのまま載っている……。
と感じたシーンが二ヵ所、ありました。
第29話 烏太夫
他人に
勝手な幻想を
押し付けるのは
やめな迷惑だ
……凄い。「迷惑」というところまで含めて、先日考えていたことです。
なお、幻想を押し付けているのは自分です。ごめんなさい。
ぐさっときてしまいました。
第9話 覚悟の音
夢のようなこと
それでも
あの若宮さまの
微笑は確かに現だった
あせびさまと感性が似ているのかもしれませんね……。
夢か現か……。
魔性の女
歳を重ねて感じたのは、いわゆる“魔性の女”と呼ばれる類の女の子たちは、かわいいのだなぁ……ということ。イメージではもっと怖い、ぞくっとするような人なのかとおもっていました。
全然そんなこと、ない。
かわいいのです。かわいいから、だまされるのですけれど。
むしろ……この子になら、だまされてもいい。なんて、おもってしまうのです。
ちなみにわたしは人生で一度だけ、一人にだけ、“魔性の女”だと言われたことがあります。
浜木綿(はまゆう)さまのような強く美しく、でも浜木綿さまよりはもろく危ういところも併せ持っている、かわいいおひとでした。
彼女にはどのように見えていたのでしょうね。

わたしと会ったことがある方、どうおもいますか?

わたしは“魔性の女”でしょうか?
でも、まぁ……。
わたしに引っかかるのはあんまりよろしくない、とは、おもいます。本人としては。
“魔性”ではない、とおもいたいですけれど、イイヒトかというと……うーん。
嘘をつく人間ですから。
それを自覚しているだけでも、まだまし、ってことにしてくださいませ。

なんてね。